
日本のヴィーガン事情に不満あり!? 外国人にアンケート調査した結果
目次
肉や魚、卵などの動物由来の食品や製品を食べずに生活するヴィーガン。
日本ではあまり馴染みのない考え方ですが、海外ではその生活を選択して生きる人も一定数いるようです。
日本食には多様なメニューや味付けがあり、選択肢が豊富ですが、ヴィーガンとして生活する人にとっても便利な国なのでしょうか。
日本で暮らすヴィーガンの外国人9人に、日本のヴィーガンとしての食事についてアンケート調査をしてみました。
日本のヴィーガン生活は母国と同じようにはいかない
まずは日本に来て、食生活に変化があったか尋ねてみました。
母国と日本での食生活を比べて内容に大きな変化はありましたか?

ほとんどの人が食生活に変化があったようです。
ヴィーガンといっても選択する食材はいろいろ。
国が違えば食生活も変わるようですね。
具体的にどう変わったのかも質問してみました。
具体的にどのように変わったか教えてください。
- ソイミートや野菜が母国より高く、豆や冷凍野菜を買うことが増えた。 (20代/男性/イギリス)
- 日本ではヴィーガンやベジタリアンは比較的あたらしいライフスタイル。日本では野菜だけに見えるメニューにも肉類が使われていることがあり、店員に尋ねたり注意深く確認する必要がある。 (20代/女性/インド)
- アメリカに比べるとベジタリアンメニューのあるお店が少ない。大豆ミートや代替卵などを買うのに苦労する。 (20代/女性/アメリカ)
国によって食材の値段が異なることから、食材選びに変化があるのは興味深いですね。
また、母国と比べて食材に神経を使うシーンが多いという回答や、ヴィーガン対応の製品を見つけるのに苦労するという声も多くありました。
やはり日本で暮らす外国人からみて、まだまだ日本ではヴィーガンが浸透していないことが分かります。
ヴィーガンの情報は口コミやSNSがメイン
ヴィーガンがあまり一般的ではない日本で、どのようにしてヴィーガン製品を手に入れているのでしょうか。
まずは、どこで情報を手に入れているのかを質問してみました。
日本での食品選びでの情報収集はどのようにして行うことが多いですか?
主に友人からの口コミ(9票)、SNS(6票)でヴィーガン対応の食品について情報収集をすることが多いようです。
また、ウェブサイトやブログを参考にしているという回答もありました。
具体的には、「HappyCow」、「iHerb」といったサイトを見ているとのこと。
では、ヴィーガン製品を購入するときは何を見ているのでしょうか。
重視するポイントを尋ねてみました。
日本でヴィーガン対応の食品を選ぶときに重視するものは何ですか?
こちらも口コミやSNSを参考にするという回答が多く見られました。
また、利用するスーパーにあるものを選ぶという回答も多く、利便性も重要なポイントとなるようです。
日本のヴィーガン製品は高価で少ない
日本で暮らすヴィーガンの外国人は、SNSや口コミなどを頼りに、食材選びも行っていることが分かりました。
では具体的に、どういう食材を購入しているのでしょうか。
よく購入する日本の食品、調味料はなんですか?
- 麺類、乾燥豆、豆腐、冷凍野菜・果物 (20代/男性/イギリス)
- 蕎麦、豆腐、ヴィーガンチーズ、パスタ、果物、大豆製品など (50代/女性/オーストラリア)
- オーツ、キヌア、有機野菜、ナッツなど (20代/女性/インド)
野菜やナッツ類、ヴィーガン仕様の加工食品が並びます。
また、それらの食材に対して、価格が高い(7票)、入手しにくい(5票)といった不満を持つ人がいることも分かりました。
他にもヴィーガン対応の食材選びで困ることがないか尋ねてみました。
食品の購入の際、パッケージや説明の情報不足で困ったことはありますか?
結果は、9人中4人が「困ったことがある」という回答でした。
具体的にどういうことで困った経験があるのでしょうか。
- デザインがごちゃごちゃしており一目でパッケージの情報を理解することが難しい。 (40代/男性/フィリピン)
- 動物性食品を使用しているかわからない。特に出汁などは気づかない。 (20代/男性/シンガポール)
- 海外のオレオはヴィーガン仕様だが、日本のものはそうでないように、海外と同じブランドでも中身が異なることがある。 (20代/女性/アメリカ)
パッケージの原材料表示などの分かりづらさ、海外の同じような商品に惑わされてしまうことがあるようです。
ちなみに、購入した食材で作ることの多い和食レシピは、カレーやラーメン、味噌汁という回答が多くありました。
その際のレシピは、SNSやウェブサイト、友人からのアドバイスを参考にすることが多いようです。
飲食店にも課題がたくさん
次は自炊ではなく、外食についても質問してみました。
日本の飲食店において、ヴィーガン対応で困った点、不足していた情報などを教えてください。
- 普通のお店にはヴィーガン対応メニューがほとんどない。 (40代/男性/フィリピン)
- 多くの料理は出汁や卵が含まれており、店員もそれに気づいていないことがある。 (20代/男性/シンガポール)
- ヴィーガンがどういうものなのか店員が理解していないことがある。 (30代/男性/アメリカ)
やはりここでも、ヴィーガンが浸透していないことから来る課題が見えてきました。
もう一歩踏み込んで、改善点も尋ねてみました。
母国や海外の飲食店と比較し、日本の飲食店でこうしたらいいと思うことを教えてください。
- ヴィーガン対応の料理にはマークをつけてほしい。 (50代/男性/イギリス)
- 通常メニューでも肉類や魚介類を取り除けるオプションを用意してほしい。 (20代/女性/インド)
- ヴィーガン対応かどうかの明記とスタッフの理解の向上。 (30代/男性/アメリカ)
店員の意識の向上や、お店としてヴィーガンに対応することが望まれているようです。
課題とチャンスの多い日本のヴィーガン事情
日本でヴィーガンとして暮らすとなると様々な課題があることが分かりました。
一方で、納豆や豆腐などの大豆製品、こんにゃく、団子といった日本ならではのヴィーガン食品は好評のようです。
逆に出汁の素やラーメンスープ、たこ焼きなどをヴィーガン対応にするとより生活が便利になるという声も。
海外では日本食が注目され、健康的だというイメージを持たれていると聞きます。
せっかくならヴィーガンの課題とチャンスにうまく対応して、ヴィーガンの人たちにも親しみやすい状態を作っていけるといいですね。
