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日本は植物由来の代替食品後進国? 外国人にアンケート調査した結果

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大豆を使った加工肉や豆乳など、植物を由来にした食品が増えてきています。背景には健康志向や環境負荷に対する問題意識の高まりがありそうですが、これらの食品は日本よりも外国の方がより一般的なイメージもあります。

今回は日本に住む外国人17人に、日本の植物由来の代替食品についてアンケート調査してみました。

日本の大豆由来の食品が人気

まずは植物由来の代替食品をどうして選ぶのか聞いてみました。

一般的に、植物由来の代替食品を選ぶ理由は何ですか?

やはり健康や環境に対する意識から選ぶという回答が大多数でした。

その他の回答には、肉を食べる量を減らしたい、動物への配慮といった内容のものがありました。

では日本ではどのような製品を買っているのでしょうか。

日本でよく購入する植物由来の代替食品は何ですか?

  • プラントベースの食事は環境に優しいです。また、コレステロール値や血圧の改善など健康面にもよいです。(30代/女性/フィリピン)
  • 牛乳は体質に合わないため、豆乳やアーモンドミルクを好みます。(30代/女性/イタリア)
  • 肉を食べる量を減らしたいが、肉を食べたいと思う時に最適です。(40代/女性/香港)
  • 大豆製品はタンパク質が豊富で、肉の代わりになります。(20代/女性/オーストラリア)
  • 大豆製品は美味しいうえに低カロリーです。消化もしやすく胃腸にも優しいです。(20代/女性/フランス)

大豆を使ったハンバーグやソイミート、ミートボール、テンペ(インドネシアの大豆発酵食品)などを買っているようです。

ではそれらの食品を使ってどのような料理を作っているのでしょうか。

植物由来の代替食品をどのような料理に使うか教えてください。

  • ハンバーグやミートボール、麻婆茄子などを作ります。(30代/女性/ドイツ)
  • ソイミートで酢豚を作ったり、豆腐カツカレーを作ります。(30代/女性/フィリピン)
  • ミンチ状のものはボロネーゼやミートソース。塊のものはカレーやシチューに使います。(30代/女性/イタリア)
  • スパゲッティやカレー、タコスにソイミートを使用します。(50代/女性/アメリカ)
  • ソイミートは野菜と一緒に炒め物にします。(30代/女性/シンガポール)

細かいソイミートはひき肉感覚で使用したり、塊状のものは炒め物で使われることが多いことが分かります。

海外には日本では見かけない様々な製品がある

日本で使う代替食品のことは分かりましたが、外国の植物由来の代替食品はどのようなものがあるのでしょうか。

母国ではどのような植物由来の代替食品が人気があるか教えてください。

  • 香港では仏教に関連し、肉を使わない様々な精進料理があります。様々な野菜やキノコを使い、肉や魚の食感を模しています。(40代/女性/香港)

日本には馴染みのないブランドや製品など様々な回答がありました。

味や種類、値段について物足りないという声も

次に、日本の植物由来の代替食品について改善すべき点について聞いてみました。

日本の植物由来の代替食品について、改善が必要な点・よくないところを教えてください。

  • 見つけるのが難しいです。特に小さなスーパーだと扱っていません。(30代/女性/ドイツ)
  • いくつかのソイミートはダンボールのような食感で改善の余地があります。(30代/女性/フィリピン)
  • 香港にはもっと沢山の代替食品のコーナーがあります。そして、豆乳の味は母国の方がずっと美味しいです。(40代/女性/香港)
  • スーパーで扱っている商品は小量なうえに高価です。種類も少なく、美味しい商品は専門店に行く必要があります。(20代/女性/フィンランド)
  • 日本で扱われている商品は大豆由来が多いですが、欧州ではもっと様々な植物由来の製品があります。また、商品によっては卵が含まれているものもあります。(30代/女性/ドイツ)
  • 原材料の表示が日本語だけで、詳細がわからないことがあります。(20代/女性/フランス)

味についての指摘が多くありました。また、手に入りにくさや種類の少なさについても不満があるようです。

それでは母国で売れそうな日本の植物由来の代替食品はどのようなものがあるのでしょうか。

これは母国でも売れると思う日本の植物由来の代替食品は何ですか?

  • オカラは西欧では手に入りづらく、小麦粉のように使うことができます。(40代/男性/カナダ)
  • イタリアの人々は日本の餃子が大好きです。ヴィーガン餃子はイタリアにある代替食品に負けない美味しさです。(30代/女性/イタリア)
  • フィンランドには木綿、絹ごしの豆腐ぐらいしかないため、厚揚げなどの豆腐製品は人気がでると思います。(20代/女性/フィンランド)
  • 豆乳を使ったプリンやヨーグルト、豆乳飲料は美味しくて高品質です。(50代/女性/アメリカ)

豆乳を使ったプリンやヨーグルト、ソイミートを使用したから揚げなど、比較的海外でも一般的な料理の名前が多く回答にありました。

一方で、以下のように自国に比べると物足りないという意見もありました。

  • 日本は植物由来の代替食品の分野では遅れをとっていると思います。日本の消費者は本物の肉や魚への強いこだわりを感じます。(40代/女性/香港)
  • 豆腐以外の代替食品に関しては自国の方が品質がいいと思います。(20代/女性/フィンランド)
  • 母国で販売されている商品以上のものは見つかりませんでした。(20代/男性/イギリス)

ラーメン、餃子、焼き鳥などの製品があれば人気が出そう

最後に、日本で欲しい植物由来の代替食品について聞いてみました。

植物由来の代替食品になったらいいと思う日本の料理・食材はありますか?

  • ラーメンと餃子は日本に訪れる外国人の多くが求めるものなので、肉を使っていないバージョンがあればと思います。(30代/女性/ドイツ)
  • 東京でヴィーガン対応のラーメンを食べて非常に気に入ったので、もっと広く普及すればと思います。(30代/女性/東京)
  • 植物だけを使ったお寿司や、ソイミートや豆腐を使った焼き鳥があればと思います。(40代/女性/トルコ)
  • ベジタリアン向けの餃子や焼き鳥は台湾や香港では売られていますが、中華風の味つけなので、日本の味付けでそれらの製品があればと思います。(40代/女性/香港)
  • 多くの出汁の素には魚介類が使用されているので、明確に植物由来のものがあれば嬉しいです。(40代/男性/イタリア)
  • タコの代替食品でたこ焼きができたらと思います。(50代/女性/アメリカ)
  • 代替食品でトンカツが作れたら健康的なものになるでしょう。(30代/女性/ドイツ)

ラーメンや餃子、タコ焼きなど、海外で人気の日本食を求める声が多くありました。

日本の植物由来の代替食品はまだまだ未成熟なのでチャンスあり!?

日本の植物由来の代替食品は大豆製品が多く、味も評価されていることが分かりました。

しかしながら、他の製品については味に課題があったり種類が多くなかったりなど、日本は代替食品について海外からすると後進国のような印象も受けます。

日本食の海外での人気が高いことも考えれば、今後の日本の代替食品のマーケットには大きな可能性があるかもしれません。

この記事のアンケートデータ提供依頼

在留外国人への日本の植物由来の代替食品についてのアンケートデータには以下の内容が含まれております。
日本で買うようになった製品、母国で売れると思う製品など、全12問の回答を集計したPDFを2、3営業日を目途に送付させていただきます。

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