
日本での年末年始の過ごし方について外国人にアンケート調査した結果
目次
仕事や学校が休みになることが多く、まとまった時間の取りやすい年末年始。
日本の昔の童謡にあるような、お正月には凧を上げたりコマをまわしたりして遊ぶような風景は時代とともに見られなくなっているものの、年越しそばを食べたり初詣に行くなどの風習は残っていることも多いです。
海外から日本に来た外国人も日本人と同じように、日本ならではの風習やイベントに参加しているのでしょうか。
日本で暮らす外国人19人にアンケート調査をしてみました。
願い事の書いた紙を燃やした灰とシャンパンを一緒に飲むなど、外国の興味深い風習があることも分かりました。
年末は身近な人とアクティブに過ごす
まずはじめに年末の過ごし方について聞いてみました。
年末(12月29日~31日)は誰と一緒に過ごしましたか?

半数近くが「家族や親せき」と過ごしたとの回答でした。
何をしたのか聞いてみると、
- 大掃除をし、31日は子どもと一緒に年越しそばを食べ、紅白歌合戦を見ました。 (30代/女性/ブラジル)
- 友人と九州へ旅行に行きました。また、ホームパーティーをしたり、スキーに行ったりもします。 (20代/男性/バングラデシュ)
- 伝統的な料理を作り、クリスマス/新年をテーマにした映画を観ました。 (30代/女性/ロシア)
旅行や大掃除をしたという回答のほか、日本でおなじみの紅白歌合戦を見る、年越しそばを食べるという回答も目立ちました。
母国でも年末は家族や友人と過ごす
母国での年末の過ごし方について聞いてみました。
母国では何をして年末を過ごすことが多いですか?
- 出身のニューメキシコ州では年末は街がきらびやかに装飾されます。そのため私たちは年末にかけて灯篭をつくり家や道を飾ります。 (40代/男性/アメリカ)
- 家族と友人たちでパーティーをします。そして花火を見た後は、本を読みながらゆっくり過ごします。 (60代/男性/スウェーデン)
- 友人と一緒に過ごし、ドラマの一気見をします。そして深夜はニューヨークのタイムズスクエアでボールドロップを見ます。 (20代/女性/アメリカ)
外国でも家族や友人と過ごす人が多いようです。
お酒を飲みながらカウントダウンパーティーをしたり、打ち上げられる花火を鑑賞したりするという回答が目立ちました。
外国の年末の風習はさまざま
日本では年末に除夜の鐘の音を聞き、年越しそばを食べるなどの風習がありますが、外国にもこのような特別な風習やイベントはあるのでしょうか。
母国で何か年末に行う風習があれば教えてください。
- 白い服の下に願いに応じた色のシャツを着ます。(黄色ならお金、緑は希望、赤は情熱、ピンクは恋愛、白は平和)。また、レンズ豆のスープとブドウを食べます。ブドウの種は金運のお守りとして財布に入れます。 (30代/女性/ブラジル)
- 願い事を書いた手紙を燃やし、その灰をシャンパンに入れて飲みます。 (30代/女性/ロシア)
- 黒目豆のスープを作ってパンとともに食べます。 (30代/男性/アメリカ)
- カナダではエッグノッグやフルーツケーキ、ジンジャーブレッドを作り、クリスマスおよび年末を過ごします。また31日に花火のイベントがあります。 (50代/女性/カナダ)

それぞれ国によって独特な風習が多数回答にあがり、興味深い内容ばかりでした。
年始は身近な人と過ごしゆっくりする人が多い
次に、日本での年始の過ごし方についても聞いてみました。
年始(1月1日~3日)は誰と一緒に過ごしましたか?

「家族や親せき」が半数弱、次に「友人」が多く、年末と同じような結果になりました。
何をしたのか聞いてみると、
- 初日の出を見に行き、おせち料理を食べます。そして初詣に行きます。 (40代/女性/フランス)
- 元旦は家でゆっくりし、そのあとは子供と遊びに出かけたり、ボードゲームをしました。 (30代/女性/マダガスカル)
- 元旦は家でゆっくり過ごし、二日目は初詣にいき御朱印を手に入れました。 (40代/女性/オーストラリア)
年末と比べ、ゆっくり休養を取るという声が多くありました。
また、初詣やおせち、初日の出など日本の文化にのっとった過ごし方をするという回答も目立ちました。
母国では年始は仕事に備えてゆっくり休む
一方で母国では年始をどう過ごしているのでしょうか。
母国では何をして年始を過ごすことが多いですか?
- クリスマスや年末で騒いだ分、ゆっくりと休みます。 (40代/女性/フランス)
- 1日は家族や親戚たちで集まりBBQをします。そして大抵2日から仕事が始まります。 (30代/女性/ブラジル)
- 1日は家でゆっくりと休みます。2日はクリスマス装飾の片づけをし、3日から仕事に戻ります。 (30代/男性/イギリス)
2日から仕事始めとなる国が多いため、1日はゆっくり休むという回答が大半でした。
それ以外は「親戚を訪ねる」「旅行」「パーティー」などをするという内容がありました。
外国の年始にまつわる風習はあまりない
日本では初詣に行ったり、おせち料理を食べたりする習慣がありますが、外国ではどうでしょうか。
母国で何か年始に行う風習があれば教えてください。
- 特にないと思います。年末にパーティーをするため、大抵その片付けに費やされます。 (40代/男性/アメリカ)
- 友人たちに新年のあいさつをするだけで、他に特別な風習はありません。 (40代/女性/オーストラリア)
- 宗派によりことなりますが、私はライスプティングを作って食べます。また寺院を訪れます。 (30代/男性/インド)
- 島々のエリアだと、寒中水泳をしたりします。(30代/男性/イギリス)

年末と比べて、年始に行うイベントや風習はない国が多いようですが、特定の宗教やエリアならではの風習があるところもありました。
年末年始にスパークリング日本酒がうける?
最後に、年末年始に人気の出そうな日本の飲食物について聞いてみました。
母国で年末年始を過ごすとして、日本の料理や食べ物、飲み物(アルコール含む)で人気の出そうなものがあれば教えてください。
- 年末年始はシャンパンでお祝いをするので、スパークリング日本酒も受け入れられるでしょう。 (20代/女性/ポーランド)
- スパークリング日本酒は華やかな風味と炭酸がシャンパンに似ている。 (30代/女性/ブラジル)
年末にシャンパンを飲む国が多いことから、日本酒(特にスパークリング日本酒)がその代わりになりそうという意見が多くありました。
また、おせちについては、
- 様々な味が楽しめ、家族で囲んで食べるのにいいでしょう。 (20代/女性/モンゴル)
- おせちは重箱に様々な料理が入っているコンセプトが面白い。ただし伝統的なものだとアメリカ人には馴染みのない料理が多いので、洋風おせちなどローカライズをすれば流行ると思います。 (20代/女性/アメリカ)
以上の意見もあり、日本のユニークな文化と実用性に可能性がありそうです。
その他については、
- 年越しそばやお雑煮で体を暖めるのはいいでしょう。 (60代/男性/スウェーデン)
- 寒い冬に身体を暖めるのにぜんざいはいいと思います。美味しくて健康的です。材料さえ手に入れば簡単に作ることができます。 (30代/男性/イギリス)
寒い日に身体を暖めるため、年越しそばやお雑煮、ぜんざいなども受け入れられるのではという意見もありました。
日本と外国では似たような年始、異なる年末のムード感
日本でも海外でも、年末はお祭りのようなムードになる一方で、年始は日本ほどイベントや風習がないことが分かりました。
そんな違いがある中でも、日本で暮らす外国人は年末年始を日本の風習にのっとった過ごし方をする人も多く、海外に日本の文化や料理が受け入れられる可能性を感じますね。
